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「合う」は英語で何と言う?BNCで考える fit・match・suit の違い

日本語の「合う」は、とても便利な言葉です。

たとえば、次のような場面で使えます。

  • 靴のサイズが足に合う
  • シャツの色がズボンに合う
  • 青い服がその人に合う
  • 金曜日なら予定が合う

日本語では、どれも「合う」と表現できます。

しかし、英語では「何と何が合っているのか」によって、使う単語が変わります。

今回取り上げるのは、次の3語です。

  • fit
  • match
  • suit

どれも「合う」と訳せますが、中心となるイメージは同じではありません。

最初に大まかな違いを整理しておきましょう。

単語 中心となる意味 主な関係
fit 大きさや形が合う 物と身体・空間
match 色・柄・性質などが合う 物と物
suit 人や状況に適している 物・予定と人

この記事では、服や予定などの日常的な場面を中心に、3語の使い分けを考えていきます。


British National Corpusとは

**British National Corpus(BNC)**は、書き言葉と話し言葉を集めた、約1億語規模のイギリス英語のコーパスです。

新聞、小説、学術文書、会話など、さまざまな種類の英語が収録されています。

単語の意味を辞書で調べるだけでなく、

  • どのような名詞と一緒に使われるのか
  • どのような文型で使われるのか
  • 実際の英語の中で、どのような意味を表しているのか

といった点を確認するのに役立ちます。

BNCは、主に20世紀後半のイギリス英語を収録したコーパスです。収録内容は書き言葉が約90%、文字に起こされた話し言葉が約10%とされています。

この記事の例文はBNCからそのまま引用したものではなく、3語の基本的な使い方が分かるように作成したものです。


fit――大きさや形が「合う」

fitの中心にあるのは、物の大きさや形が、身体や空間にうまく収まるというイメージです。

服や靴のサイズについて話すときによく使われます。

These shoes fit me perfectly.
この靴は私の足にぴったり合います。

ここでのfitは、「この靴が私に似合う」という意味ではありません。

靴の大きさや形が、足にちょうど合っているという意味です。

服や靴のサイズが合う

This jacket fits me well.
このジャケットは私の身体によく合います。

These trousers don’t fit me anymore.
このズボンは、もう私には合いません。

Do these shoes fit you?
この靴はあなたの足に合いますか。

服や靴について使う場合、fit+人で「その人の身体にサイズが合う」という意味になります。

したがって、次のように言います。

These shoes fit me.

fit to meとは言わない点に注意が必要です。

物が空間に収まる

fitは、服や靴だけに使う単語ではありません。

物がある空間に入る、収まるという場合にも使えます。

This table won’t fit in the kitchen.
このテーブルはキッチンには収まりません。

Can this box fit in the car?
この箱は車に入りますか。

The sofa is too large to fit through the door.
そのソファは大きすぎて、ドアを通りません。

この場合も、「大きさや形が空間に合う」という基本イメージは変わりません。

鍵や部品の形が合う

This key doesn’t fit the lock.
この鍵は、その錠に合いません。

The lid doesn’t fit the container.
そのふたは容器に合いません。

鍵と錠、ふたと容器など、二つの物の形がうまくかみ合う場合にもfitが使われます。


match――色や組み合わせが「合う」

matchの中心にあるのは、二つ以上の物が似ている、対応している、または調和しているというイメージです。

服の色や柄、靴とバッグ、家具と部屋など、物同士の組み合わせについてよく使われます。

This shirt matches your trousers.
このシャツは、あなたのズボンに合っています。

ここで問題になっているのは、シャツのサイズではありません。

シャツとズボンの色やデザインが、うまく調和しているという意味です。

色や服の組み合わせが合う

Your shoes match your bag.
あなたの靴はバッグに合っています。

This tie matches your shirt well.
このネクタイは、あなたのシャツによく合っています。

The curtains match the carpet.
カーテンはカーペットに合っています。

matchでは、「人に似合うか」ではなく、「物と物の組み合わせが合っているか」に注目します。

二つの物が同じである

matchには、「同じである」「一致する」という意味もあります。

The two colors match exactly.
その二つの色は完全に一致しています。

These socks don’t match.
この靴下は左右がそろっていません。

I can’t find a cup that matches this plate.
この皿と同じ柄のカップが見つかりません。

一組になっている物や、似た色・柄の物についても使われます。

情報や数字が一致する

matchは、見た目の組み合わせだけでなく、情報や内容が一致する場合にも使えます。

His story doesn’t match the facts.
彼の話は事実と一致しません。

The numbers don’t match.
数字が一致しません。

The description matches the photograph.
その説明は写真と一致しています。

このような使い方でも、「二つのものを比べる」という考え方が基本になっています。


suit――人や状況に「合う」

suitの中心にあるのは、ある物や状況が、その人にとって適しているというイメージです。

服や色が人に似合う場合だけでなく、仕事、時間、方法、生活スタイルなどが人に合う場合にも使われます。

Blue suits you.
青はあなたに似合います。

ここでは、青という色が、その人の外見や雰囲気に合っていることを表しています。

服や色が人に似合う

That dress really suits you.
そのドレスは本当にあなたに似合っています。

Short hair suits her.
彼女には短い髪が似合います。

This color doesn’t suit me.
この色は私には似合いません。

suitで服や色について話す場合、サイズではなく、その人の外見や雰囲気との相性を表します。

仕事や役割が人に向いている

This job would suit her.
この仕事は彼女に向いているでしょう。

Teaching suits him.
彼は教師という仕事に向いています。

A quiet workplace suits me better.
私には静かな職場のほうが合っています。

仕事内容や環境が、その人の性格、能力、好みなどに適している場合にもsuitが使えます。

日時の都合が合う

suitは、予定を決める会話でもよく使われます。

Does Friday suit you?
金曜日はご都合がよいですか。

Three o’clock would suit me better.
私は3時のほうが都合がよいです。

What time would suit you?
何時がご都合よろしいですか。

この場合のsuitは、「その日時が、その人の都合に合う」という意味です。

特にイギリス英語では、予定や日時について自然に使われる表現です。


同じ「この服は合う」でも意味が違う

服について話すときは、fit・match・suitの3語をすべて使うことができます。

ただし、それぞれ注目している点が異なります。

This jacket fits you.

This jacket fits you.
このジャケットは、あなたの身体に合っています。

ジャケットのサイズや形が、その人の身体に合っているという意味です。

This jacket suits you.

This jacket suits you.
このジャケットは、あなたに似合っています。

ジャケットの色やデザイン、雰囲気がその人に合っているという意味です。

This jacket matches your trousers.

This jacket matches your trousers.
このジャケットは、あなたのズボンに合っています。

ジャケットとズボンの色やデザインが調和しているという意味です。

3文を並べると、違いがよく分かります。

英文 注目していること
The jacket fits you. ジャケットと身体のサイズ
The jacket suits you. ジャケットとその人の相性
The jacket matches your trousers. ジャケットとズボンの組み合わせ

覚え方としては、次のように整理できます。

fitは身体との関係、matchは物同士の関係、suitは人との関係。


「この色は合う」は英語でどう言う?

日本語では「この色は合う」とだけ言うことがあります。

しかし、英語では「何に合うのか」を明確にすると、単語を選びやすくなります。

色と物が合う

This color matches the walls.
この色は壁の色に合っています。

壁、家具、服など、色と物の組み合わせについて話す場合はmatchが基本です。

This color matches your jacket.
この色はあなたのジャケットに合っています。

色が人に似合う

This color suits you.
この色はあなたに似合います。

色と人との相性について話す場合はsuitを使います。

つまり、次のように考えることができます。

  • 色と色、または色と物が合う
    match
  • 色が人に似合う
    suit

「予定が合う」はfitとsuitのどちら?

予定については、fitsuitの両方が使われることがあります。

ただし、視点が異なります。

suit――人にとって都合がよい

Would Friday suit you?
金曜日はご都合がよいですか。

suit youは、金曜日という日時が、その人の都合に合うことを表しています。

fit――予定の中に収まる

Friday fits my schedule.
金曜日なら私の予定に入れられます。

fit my scheduleは、金曜日の予定をスケジュールの中に収められる、というイメージです。

I’m trying to fit the meeting into my schedule.
その会議を何とか予定に組み込もうとしています。

相手の都合を尋ねる日常会話では、suitが使いやすい表現です。

自分のスケジュールに予定を入れられるかどうかを述べる場合は、fitが使えます。


fit・match・suitには意味の重なりもある

ここまで、3語の違いを次のように整理してきました。

  • fit:大きさや形
  • match:組み合わせや一致
  • suit:人や状況への適合

ただし、英単語の意味は、いつでも完全に分けられるわけではありません。

たとえば、fitには「目的や条件に適している」という意味もあります。

This plan fits our needs.
この計画は私たちの必要に合っています。

He fits the description.
彼はその人相や特徴の説明に当てはまります。

また、matchにも「人や物が条件に合う」という使い方があります。

His skills match the requirements.
彼の技能は要件に合っています。

それでも、日常的な場面で迷ったときは、まず基本となる次の違いから考えるとよいでしょう。

大きさや形ならfit、物同士の組み合わせならmatch、人に適しているならsuit


どの単語を選べばよい?

「合う」を英語にするときは、次の順番で考えてみましょう。

1.大きさや形の話ですか?

服、靴、家具、箱などの大きさや形が、身体や空間に収まるという話ならfitを使います。

These shoes fit me.
この靴は私の足に合います。

2.二つの物を比べていますか?

色、柄、デザイン、情報など、二つの物が調和または一致しているという話ならmatchを使います。

These shoes match my bag.
この靴は私のバッグに合います。

3.人に似合う、向いている、都合がよいという話ですか?

服、色、仕事、時間などが、その人に適しているという話ならsuitを使います。

These shoes suit you.
この靴はあなたに似合います。

同じ靴について話していても、伝えたい内容によって単語が変わります。


ミニクイズ

次の日本語に合うように、空欄へfit・match・suitのいずれかを入れてください。

第1問

この靴は少し小さくて、私の足に合いません。

These shoes don’t(   )me.

第2問

そのネクタイは、あなたのシャツによく合っています。

That tie(   )your shirt well.

第3問

その髪型はあなたに似合っています。

That hairstyle(   )you.

第4問

午後3時でご都合はいかがですか。

Would three o’clock(   )you?

第5問

この棚は、その狭い場所には入りません。

This shelf won’t(   )in that small space.

第6問

彼の説明は事実と一致しません。

His explanation doesn’t(   )the facts.

第7問

この仕事は彼女に向いていると思います。

I think this job would(   )her.


ミニクイズの答え

第1問:fit

These shoes don’t fit me.

靴の大きさや形が足に合わないため、fitを使います。

第2問:matches

That tie matches your shirt well.

ネクタイとシャツの組み合わせについて話しているため、matchを使います。

主語がThat tieなので、動詞には**-es**を付けます。

第3問:suits

That hairstyle suits you.

髪型がその人に似合っているため、suitを使います。

第4問:suit

Would three o’clock suit you?

3時が相手の都合に合うかを尋ねているため、suitを使います。

第5問:fit

This shelf won’t fit in that small space.

棚が狭い空間に収まらないため、fitを使います。

第6問:match

His explanation doesn’t match the facts.

説明と事実が一致しないため、matchを使います。

第7問:suit

I think this job would suit her.

仕事が彼女の性格や能力に向いているという意味なので、suitを使います。


まとめ

日本語の「合う」は、英語では対象や状況によって表現が変わります。

fit

大きさ・形・空間が合う

The jacket fits you.
そのジャケットは、あなたの身体に合っています。

match

物と物の色・柄・内容が合う

The jacket matches your trousers.
そのジャケットは、あなたのズボンに合っています。

suit

人・好み・目的・都合に合う

The jacket suits you.
そのジャケットは、あなたに似合っています。

特に服について話すときは、次の違いを意識すると分かりやすくなります。

fitはサイズ、matchは組み合わせ、suitは似合う。

日本語では同じ「合う」でも、英語では「何と何の関係を表しているのか」を考えることが大切です。

単語だけを日本語訳と結び付けるのではなく、場面や対象と一緒に覚えることで、fit・match・suitを自然に使い分けられるようになるでしょう。

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