英文を読んでいると、こんな表現に出会うことがあります。
This contract is of dubious legality.
この契約は合法性に疑問があります。
I suspect that his ID is of doubtful authenticity.
彼の身分証明書は本物かどうか疑わしいと思います。
be動詞のあとに、なぜ of が来るのでしょうか。
学校英語ではあまり大きく取り上げられませんが、be動詞+of+名詞には、「主語がどのような性質・特徴を持っているか」を表す使い方があります。
今回は、be of great importance のような基本的な表現から、of dubious legality、of doubtful authenticity のような少し高度な表現まで、順番に見ていきましょう。
be動詞+of+名詞の基本
まず、次の2つの文を比べてみましょう。
This information is very important.
この情報はとても重要です。
This information is of great importance.
この情報は非常に重要です。
意味はほぼ同じです。
| 表現 | 意味 | 特徴 |
|---|---|---|
| be important | 重要である | 一般的で直接的 |
| be of importance | 重要性がある | やや硬く、文章語的 |
importance は「重要性」という名詞です。
そのため、直訳に近い感覚では、
This information is of great importance.
=「この情報は大きな重要性を持つものです」
となります。
自然な日本語にすれば、
「この情報は非常に重要です」
となるわけです。
be of+名詞 は、「~という性質・特徴を持っている」と考えると理解しやすくなります。
be of+抽象名詞は形容詞に近い働きをする
この構文では、of のあとに抽象名詞が置かれることがよくあります。
| be of+名詞 | 意味 | 近い表現 |
|---|---|---|
| be of importance | 重要である | be important |
| be of value | 価値がある | be valuable |
| be of use | 役に立つ | be useful |
| be of interest | 興味深い | be interesting |
| be of help | 役に立つ | be helpful |
たとえば、次のように使います。
This book is of great value.
この本には大きな価値があります。
= This book is very valuable.
Your advice was of great help to me.
あなたの助言は私にとって大いに役立ちました。
= Your advice was very helpful to me.
This information may be of use to you.
この情報はあなたの役に立つかもしれません。
特に great、little、no、considerable、particular などを加えて、程度を表すことがよくあります。
of great importance
This issue is of great importance.
この問題は非常に重要です。
of little use
This old map is of little use now.
この古い地図は今ではあまり役に立ちません。
of no use
Arguing with him is of no use.
彼と議論しても無駄です。
of dubious legality はどう考える?
では、最初の例文に戻りましょう。
This contract is of dubious legality.
この契約は合法性に疑問があります。
ここで重要なのは、of のあとをひとまとまりとして見ることです。
dubious legality
を先に考えます。
- dubious = 疑わしい、怪しい
- legality = 合法性
したがって、
dubious legality
=「疑わしい合法性」
=「合法かどうか疑わしいこと」
となります。
そこに be of が付いて、
be of dubious legality
=「合法性に疑問がある」
となるわけです。
be of だけを先に訳そうとせず、まず of のあとの「形容詞+名詞」を理解すると読みやすくなります。
of doubtful authenticity も同じ仕組み
次の文もまったく同じ構造です。
I suspect that his ID is of doubtful authenticity.
彼の身分証明書は本物かどうか疑わしいと思います。
authenticity は「真正性」「本物であること」という意味です。
- doubtful = 疑わしい
- authenticity = 真正性、本物であること
ですから、
doubtful authenticity
=「疑わしい真正性」
=「本物かどうか疑わしいこと」
となります。
したがって、
His ID is of doubtful authenticity.
は自然な日本語では、
「彼の身分証明書は本物かどうか疑わしい」
となります。
なぜ普通の形容詞を使わないの?
be of+名詞は、普通の形容詞よりも少し硬く、客観的な響きを持つことがあります。
特に今回のような表現では、断定を避けながら性質について述べられるという特徴があります。
たとえば、次の2つを比べてみましょう。
This contract is illegal.
この契約は違法です。
illegal と断定しています。
This contract is of dubious legality.
この契約は合法性に疑問があります。
違法だとは断定せず、「合法と言えるか疑わしい」と述べています。
of dubious legality のほうが慎重な表現です。
このような言い方は、法律・報道・ビジネス・学術的な文章などで特に使いやすい表現です。
形容詞にそのまま置き換えられるとは限らない
ここは注意したいところです。
This information is of great importance.
なら、
This information is very important.
と簡単に言い換えられます。
しかし、
This contract is of dubious legality.
を、
This contract is dubious.
と単純に置き換えることはできません。
なぜなら、dubious が説明しているのは contract ではなく legality だからです。
構造を見てみましょう。
of [dubious legality]
つまり、
「疑わしい契約」ではなく、
「合法性が疑わしい契約」
なのです。
同じように、
of [doubtful authenticity]
では、doubtful が修飾しているのは authenticity です。
of+形容詞+名詞を見たら、「形容詞がどの名詞を説明しているのか」を確認しましょう。
性質・特徴を表す be of+名詞
be of+名詞には、ほかにも「主語がどんな特徴を持っているか」を表す使い方があります。
They are of the same age.
彼らは同い年です。
The two boxes are of similar size.
その2つの箱はほぼ同じ大きさです。
These products are of high quality.
これらの製品は高品質です。
The issue is of particular concern to us.
その問題は私たちにとって特に懸念すべきものです。
「重要性」「価値」のような抽象名詞だけでなく、age、size、quality など、性質や特徴を表す名詞にも使えることがわかります。
be of+名詞の読み方を整理しよう
| 表現 | 直訳に近いイメージ | 自然な意味 |
|---|---|---|
| be of great importance | 大きな重要性を持つ | 非常に重要である |
| be of great value | 大きな価値を持つ | 非常に価値がある |
| be of little use | わずかな有用性しかない | あまり役に立たない |
| be of high quality | 高い品質を持つ | 高品質である |
| be of dubious legality | 疑わしい合法性を持つ | 合法性に疑問がある |
| be of doubtful authenticity | 疑わしい真正性を持つ | 本物かどうか疑わしい |
ミニクイズ
( )に入るもっとも自然な語を考えてみましょう。パソコンでは空欄にマウスを合わせ、スマートフォンではタップすると答えを確認できます。
This information is of great .
和訳この情報は非常に重要です。
ヒントimportant の名詞形を考えてみましょう。
These products are of high .
和訳これらの製品は高品質です。
ヒント「品質」を表す名詞です。
The contract is of dubious .
和訳その契約は合法性に疑問があります。
ヒントlegal の名詞形です。
The document is of doubtful .
和訳その文書は本物かどうか疑わしいものです。
ヒント「真正性」「本物であること」を表す名詞です。
まとめ
be動詞+of+名詞は、最初は少し不思議に見える表現ですが、「主語がそのような性質・特徴を持っている」と考えると理解しやすくなります。
- be of importance = 重要である
- be of value = 価値がある
- be of use = 役に立つ
- be of high quality = 高品質である
- be of dubious legality = 合法性に疑問がある
- be of doubtful authenticity = 本物かどうか疑わしい
特に of+形容詞+名詞 の形では、まず of のあとの名詞句をひとまとまりとして読むのがコツです。
of dubious legality なら「dubious な legality」、of doubtful authenticity なら「doubtful な authenticity」と考えます。
「of は『~の』」という日本語訳だけにとらわれず、be of+名詞=「~という性質・特徴を持つ」という感覚を身につけておくと、少し硬めの英文もぐっと読みやすくなります。