「この薬はよく効きます」
これを英語で言うとき、まず覚えておきたいのが work です。
This medicine works well.
この薬はよく効きます。
しかし、薬について使われる英語表現は work だけではありません。
- work
- start working
- kick in
- take effect
など、薬の効果がどのような状態にあるかによって表現が変わります。
今回は、薬が「効く」「効き始める」「まだ効かない」を英語でどのように表すのかを見ていきます。
薬が効くという基本表現
薬に効果があることを表す最も基本的な言い方は、
The medicine works.
です。
ここでの work は、「仕事をする」ではなく、
期待された効果を発揮する
という意味です。
例文
This medicine works well for headaches.
この薬は頭痛によく効きます。Does this medicine really work?
この薬は本当に効きますか。This medicine doesn’t work for me.
この薬は私には効きません。
最後の例文にある for me は、「私には」という意味です。
薬の効き方には個人差があるため、会話でも使いやすい表現です。
medicineとdrugの違い
日本語の「薬」を英語にするときは、通常 medicine が使いやすいでしょう。
I took some medicine for my headache.
頭痛の薬を飲みました。
drug も「薬」という意味ですが、医薬品全般を表す少し専門的な響きがあります。
また、文脈によっては違法薬物を意味する場合もあるため、日常会話では medicine のほうが無難です。
特定の薬について話す場合には、その種類をそのまま使うこともできます。
- painkiller
鎮痛剤 - sleeping pill
睡眠薬 - antibiotics
抗生物質 - cold medicine
風邪薬
薬が効き始める
薬の効果が現れ始める場合は、start working が使えます。
The medicine is starting to work.
薬が効き始めています。The painkiller has started working.
鎮痛剤が効き始めました。
start working は意味が分かりやすく、日常会話でも使いやすい表現です。
kick inは「効いてくる」
薬の効果が徐々に感じられるようになるときには、kick in がよく使われます。
The painkiller should kick in soon.
鎮痛剤はもうすぐ効いてくるはずです。The anesthesia began to kick in.
麻酔が効き始めました。
kick in には、
ある時点から作用し始める
効果が体感できるようになる
という感覚があります。
日本語では、「効き始める」よりも「効いてくる」に近い表現です。
まだ効いていない
薬を飲んでも、すぐには効果が現れないことがあります。
The medicine hasn’t kicked in yet.
薬はまだ効いていません。The painkiller hasn’t started working yet.
鎮痛剤はまだ効き始めていません。
yet は、否定文で「まだ」という意味を表します。
take effectは少し改まった表現
薬や治療の効果が現れることは、take effect でも表せます。
The medicine will take effect in about thirty minutes.
薬は約30分で効き始めます。It may take some time for the medicine to take effect.
薬が効くまで少し時間がかかるかもしれません。
take effect は、kick in よりもやや改まった表現です。
病院での説明や、薬の説明書などで見かけることがあります。
work、kick in、take effectの違い
三つの表現を整理してみましょう。
| 表現 | 基本的な意味 | 感覚 |
|---|---|---|
| work | 効果がある | 薬が効く |
| start working | 効果が出始める | 分かりやすい一般表現 |
| kick in | 効いてくる | 効果を体感し始める |
| take effect | 効果を発揮し始める | やや改まった表現 |
比較してみよう
This medicine works.
この薬は効きます。
薬そのものに効果があることを述べています。
The medicine is starting to work.
薬が効き始めています。
効果が現れ始めた状態です。
The medicine is kicking in.
薬が効いてきています。
本人が効果を感じ始めているような印象があります。
The medicine has taken effect.
薬の効果が現れました。
少し客観的で、改まった響きがあります。
薬の効果が切れる
薬が効くこととは反対に、効果がなくなっていくこともあります。
その場合は、wear off がよく使われます。
The painkiller is wearing off.
鎮痛剤の効果が切れてきました。The anesthesia has worn off.
麻酔が切れました。
wear off は、薬や麻酔だけでなく、感情や疲労感などが徐々に薄れる場合にも使われます。
例文
The excitement soon wore off.
興奮はすぐに収まりました。
コーヒーが効いてきた
kick in は薬以外にも使えます。
たとえば、眠いときにコーヒーを飲み、その効果を感じ始めた場合です。
The coffee is starting to kick in.
コーヒーが効いてきました。I’m still waiting for the coffee to kick in.
コーヒーが効いてくるのをまだ待っています。
カフェインやアルコールなど、身体に作用するものにも使われます。
The caffeine kicked in, and I felt more awake.
カフェインが効いてきて、目が覚めてきました。
「すぐ効く」は英語で何と言う?
薬がすぐに効く場合は、次のように言えます。
This medicine works quickly.
この薬はすぐに効きます。This medicine acts fast.
この薬は速く作用します。This is a fast-acting painkiller.
これは即効性のある鎮痛剤です。
fast-acting は、「作用が速い」「即効性のある」という意味です。
「よく効く」と「強い薬」は同じではない
日本語では、「この薬は強い」と言うことがあります。
しかし英語では、単に strong medicine と言うと、薬の作用が強いことを表します。
This is a strong painkiller.
これは強い鎮痛剤です。
一方、「自分によく効く」と言いたい場合は、
This painkiller works well for me.
この鎮痛剤は私によく効きます。
のほうが意味が正確です。
「よく効く」と「作用が強い」は、必ずしも同じではありません。
まとめ
薬が「効く」と言うとき、英語では効果の状態によって表現が変わります。
- work
薬に効果がある - start working
薬が効き始める - kick in
薬が効いてくる - take effect
効果が現れる - wear off
効果が切れてくる
まずは、次の三つを覚えておくとよいでしょう。
This medicine works well.
この薬はよく効きます。The medicine is starting to kick in.
薬が効いてきました。The medicine is wearing off.
薬の効果が切れてきました。
次回は、薬ではなく、ブレーキなどの機械が「利く」と言うときの英語表現を見ていきます。
英語で考える日本語の「きく」シリーズ
- 日本語の「きく」―「効く」と「利く」はどう違う?
- 薬が「効く」は work?― kick in、take effectとの違い
- ブレーキが「利く」― work、responsive、stopping power
- 「気が利く」「顔が利く」「鼻が利く」を英語で言うと?