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英語の使い分け

ban・prohibit・forbid の違い ―「禁止する」の英語表現を使い分けよう

「校内でのスマートフォン使用を禁止する」「規則で情報の持ち出しを禁止する」「子どもに夜の外出を禁じる」。日本語ではどれも「禁止する」ですが、英語では ban・prohibit・forbid などを使います。

3語は意味の重なる類義語です。ただし、いつでもそのまま入れ替えられるわけではありません。違いが出るのは、禁止をどのように伝えるか、どのくらい改まった言い方か、どんな文型を使うかです。

「ban は国の法律だけ」「forbid は親の命令だけ」と決めつけず、同じ場面での言い方を比べながら整理しましょう。

ban・prohibit・forbid の違いをざっくり確認

単語 中心イメージ よく使う場面 代表的な形
ban ある行為・物・人を禁止の対象にする 禁止措置のニュース、学校のルール、出入り禁止、利用停止 ban smoking
ban someone from doing
prohibit 規則や権限に基づいて許可しない 規約、契約、業務上の規定、掲示 prohibit smoking
prohibit someone from doing
forbid 権限をもって「してはいけない」とする 人への禁止命令、規則、禁止状態の説明 forbid someone to do
be forbidden

3語の違いは、単純な「弱い禁止→強い禁止」という順序ではありません。また、どの語も一時的な禁止にも継続的な禁止にも使えます。禁止の範囲や期間、違反時の扱いは、単語だけでなく文の内容や実際のルールで決まります。

ban:禁止の対象にする・利用や参加を認めない

ban = ある行為・物・人を禁止の対象にするというイメージです。行為なら「してはいけないことにする」、物なら「使用や販売などを認めない」、人なら「出入りや参加を認めない」という形で使います。

政府の措置だけでなく、学校、店舗、スポーツ団体、オンラインサービスなどが決める禁止にも自然です。短く明確に禁止措置を伝えられるため、ニュースでも日常の説明でも使えます。

行為や物を禁止の対象にする

The school has banned phone use during lessons.

訳:その学校は授業中のスマートフォンの使用を禁止しました。

授業中のスマートフォン使用を、学校が禁止事項にしたと伝えています。ban があっても「いつでも全面禁止」とは限らず、この文では during lessons が範囲を限定しています。

ban phones のように物を直接続けることもできます。ただし、持ち込み禁止なのか、使用禁止なのかは文脈次第です。具体的に伝えるなら、ban phone use のように禁止する行為まで示します。

人を出入り禁止・利用停止にする

He was banned from the forum for repeatedly posting spam.

訳:彼は繰り返しスパムを投稿したため、そのフォーラムを利用できなくなりました。

be banned from ~ は、場所への出入りやサービスへの参加を禁じられるときに使います。「アカウントがBANされた」という日本語の BAN も、この用法につながります。

She was banned from competing for six months.

訳:彼女は6か月間の出場停止処分を受けました。

行為を続けるなら ban 人 from doing。from の後ろは competing のような動名詞です。ban は永久追放に限らず、期限のある処分にも使えます。

名詞の ban は「禁止措置・禁止令」

ban は名詞にもなります。a ban on ~ で「~に対する禁止」です。

The city introduced a ban on fireworks in public parks.

訳:その市は公共の公園での花火を禁止する措置を導入しました。

introduced a ban とすることで、「禁止措置を導入した」という動きを表しています。動詞なら ban fireworks、名詞なら a ban on fireworks と、前置詞の有無が変わります。

prohibit:規則や権限に基づく禁止を改まって伝える

prohibit = 規則や権限に基づいて許可しないというイメージです。ban と意味が重なる場面は多いものの、prohibit のほうが改まった響きがあり、規約や契約、業務上の規定を説明するときに合います。

「法律による禁止」に限定されるわけではありません。会社や施設のルールにも使えます。また、prohibit が ban より強い処分を意味するわけでもありません。

規則を主語にして「何を禁じているか」を説明する

Our company policy prohibits sharing customer data without permission.

訳:当社の規定では、許可なく顧客データを共有することを禁止しています。

company policy を主語にして、規定の内容を説明しています。prohibit doing で「~することを禁止する」。業務上の説明に合う、改まった言い方です。

「誰が何をしてはいけないか」は from doing

The contract prohibits employees from sharing confidential information.

訳:その契約では、従業員が機密情報を共有することを禁じています。

prohibit 人 from doing が基本形です。禁止される人が employees、禁止される行為が sharing confidential information です。

掲示では be prohibited が便利

Photography is strictly prohibited in this area.

訳:このエリアでの撮影は厳禁です。

be strictly prohibited は、施設の掲示や注意事項で使う定番表現です。誰が禁止したかを出さず、禁止されている行為を前面に出せます。strictly は「厳格に」という意味で、禁止を強調しています。

日常の案内なら Photography is not allowed here. のような簡潔な言い方も自然です。prohibited は、より公式な注意書きの雰囲気になります。

forbid:権限をもって「してはいけない」とする

forbid = 権限をもって、ある行為を許さないとするというイメージです。人が相手に禁止を言い渡す場面では、「その行為は認めない」という意思が表れます。

ただし、感情的な命令だけに使う語ではありません。規則や法律を主語にすることもでき、be forbidden は「禁止されている」という状態を表します。

人に禁止を言い渡すなら forbid 人 to do

Her parents forbade her to go out alone at night.

訳:彼女の両親は、夜に一人で外出することを彼女に禁じました。

forbid 人 to do で「人に~することを禁じる」。この文では、親が子どもに禁止を言い渡しています。forbade は forbid の過去形です。

I forbid you to go. と本人に直接言うと、「行くことは許さない」という強い、権威的な響きになります。普通の会話で軽く注意するつもりなら、Don’t go. や You’re not allowed to go. など、状況に合う表現を選びましょう。

規則や施設の禁止にも使える

The rules forbid recording the session.

訳:規則では、そのセッションの録音・録画を禁じています。

forbid の主語は人に限りません。この文では rules が主語です。行為そのものを目的語にする forbid doing も使えます。

Visitors are forbidden to enter the storage room.

訳:来館者は保管室への立ち入りを禁止されています。

be forbidden to do は受け身の形です。Visitors are forbidden from entering the storage room. とも言えます。forbid には to do と from doing の両方がある点を押さえましょう。

活用は forbid → forbade → forbidden。現在分詞は forbidding です。まずはこの形で覚えると実用的です。

同じ場面で比べると、何が変わる?

「劇場内での撮影は禁止です」を3語で表す

Photography is banned inside the theater.

訳:劇場内での撮影は禁止されています。

撮影が禁止の対象になっていることを、端的に伝えます。劇場のルールを誰かに説明するときにも自然です。

Photography is prohibited inside the theater.

訳:劇場内での撮影は禁止されています。

同じ禁止を、改まった規則・注意事項として伝える響きです。公式な案内文に合います。

Photography is forbidden inside the theater.

訳:劇場内での撮影は禁止されています。

撮影は許されていないと明確に伝えます。forbid でも施設のルールを表せることが分かります。

この3文が示すルールは、実質的に同じにできます。ここでの違いは主に語調です。単語を替えただけで、禁止の範囲や罰則まで変わるわけではありません。

「利用禁止」と「特定の行為の禁止」は区別する

The platform banned him from the service.

訳:そのプラットフォームは、彼をサービスの利用停止にしました。

本人がサービスを利用することを認めない、という処分です。ban 人 from 場所・サービス の形が合います。

The platform’s rules prohibit users from posting spam.

訳:そのプラットフォームの規則では、ユーザーによるスパム投稿を禁止しています。

こちらはユーザー全体に適用される行動ルールです。誰かの利用資格がすでに取り消された、という意味ではありません。

この違いは単語だけでなく、何を禁止対象として書いているかから生まれます。The rules ban spam. とすれば、ban でも行動ルールを表せます。

覚えておきたいコロケーション・定番表現

ban:禁止措置を導入する・解除する

表現 意味・使いどころ
a smoking ban 禁煙措置・喫煙禁止
a travel ban 渡航・入国などの禁止措置。具体的な対象は文脈で確認する
a temporary ban 一時的な禁止
a lifetime ban 生涯にわたる出場・参加などの禁止
impose a ban on ~ ~に禁止措置を課す
lift a ban on ~ ~に対する禁止を解除する
be banned from ~ ~への出入り・参加などを禁じられる

The city lifted its ban on outdoor fires after several days of rain.

訳:数日間雨が降ったあと、市は屋外で火をたくことの禁止を解除しました。

lift a ban は「禁止を解除する」という定番の組み合わせです。lift には物を持ち上げる意味のほかに、制限などを取り除く意味があります。

prohibit:規則・掲示でよく見る組み合わせ

表現 意味・使いどころ
strictly prohibited 厳禁の・厳しく禁止されている
expressly prohibited 明示的に禁止されている
prohibited by law 法律で禁止されている
prohibited items 持ち込みなどが禁止されている物品
prohibit the use of ~ ~の使用を禁止する
prohibition 禁止・禁止規定を表す名詞

The use of personal USB drives is expressly prohibited by company policy.

訳:個人所有のUSBメモリーの使用は、社内規定で明確に禁止されています。

expressly は「明示的に」という意味です。「何となく認められていない」のではなく、規定がはっきり禁止していると示します。strictly が厳格さ、expressly が明示されていることに注目する点も違います。

forbid:God forbid と forbidden fruit

God forbid! は「そんなことは起きてほしくない」「縁起でもない」という気持ちを表す決まり文句です。「神がそれを起こさせませんように」という願いの形が定着したもので、相手の行動を禁止する命令ではありません。

If, God forbid, we lose the original file, we still have a backup.

訳:万が一、あってほしくはありませんが、元のファイルを失っても、バックアップはあります。

悪い事態を仮定しながら、「そうなってほしくない」と気持ちを添えています。この慣用表現では、God forbids ではなく God forbid という形を使います。

forbidden fruit は「禁断の楽しみ」「手を出してはいけないもの」を表します。聖書の「食べてはいけない実」に由来し、禁止されているからこそ魅力的に感じるものにも使われます。

For the children, the games their parents wouldn’t let them play became forbidden fruit.

訳:子どもたちにとって、親が遊ばせてくれないゲームは、かえって魅力的な「禁断の楽しみ」になりました。

実際の果物ではなく、「禁止されている楽しみ」をたとえています。慣用表現なので、banned fruit や prohibited fruit に替えると、この定番の比喩は伝わりにくくなります。

なお、ban someone from doing などは、動詞に前置詞を伴う文型です。実用面では「句動詞」という分類にこだわるより、前置詞と、その後ろに置く形までひとまとまりで覚えることが役立ちます。

日本人学習者が間違えやすいポイント

1.ban・prohibit に「人+to do」をそのまま続けない

「人に~することを禁止する」は、日本語につられて文型を混ぜやすい部分です。学習上の基本として、次を区別しましょう。

動詞 基本の形
ban ban someone from doing something
prohibit prohibit someone from doing something
forbid forbid someone to do something
forbid someone from doing something も使える

The rules prohibit staff from accepting expensive gifts.

訳:規則では、職員が高価な贈り物を受け取ることを禁止しています。

prohibit staff to accept ではなく、prohibit staff from accepting とします。forbid を使うなら、The rules forbid staff to accept expensive gifts. とも言えます。

2.forbid to do と、相手を省略しない

「撮影することを禁止する」なら forbid taking photos。「来館者に撮影を禁じる」なら forbid visitors to take photos です。能動態で forbid to take photos とだけ書く形は避けましょう。

一方、Visitors are forbidden to take photos. は正しい受け身です。禁止される人が主語に移っているため、forbidden の直後に to do を置けます。

3.動詞の ban と、名詞の a ban on を混ぜない

動詞は ban smoking、名詞は a ban on smoking です。「喫煙を禁止する」のつもりで ban on smoking とだけ動詞のように使わないようにしましょう。

また、ban の過去形・過去分詞は banned、現在分詞は banning。n を重ねます。

4.「禁止されている」と「実際にできない」は同じではない

この記事で扱う禁止の意味では、3語は「許可されていない」ことを伝えます。禁止されていても、実際に誰かが規則を破ることはありえます。

Parking is prohibited here, but some drivers still park here.

訳:ここは駐車禁止ですが、それでも駐車する人がいます。

prohibited は駐車を許可していないということです。車を置くことが物理的に不可能、という意味ではないため、この文は矛盾しません。

実際に行動を妨げることを言いたいなら、prevent someone from doing などが候補になります。prohibit や forbid にも「妨げる」という用法はありますが、まずは規則による禁止と、実際に起こるのを防ぐことを分けて考えると整理しやすくなります。

5.「禁止」のたびに難しい動詞を選ばなくてもよい

You’re not allowed to bring food into the library.

訳:図書館に食べ物を持ち込むことはできません。

not be allowed to do は、日常会話でルールを伝える自然な選択肢です。「禁止されています」を、会話に合う平易な英語にできます。

短い掲示なら No smoking.、No photography. も使えます。文法的に正しいだけでなく、「誰に、どの場面で伝えるか」に合った言い方を選ぶことが大切です。

使い分けをもう一度整理

伝えたいこと 選びやすい表現 判断のポイント
新たに禁止措置を導入した ban ~
introduce a ban on ~
措置や決定を端的に伝える
人を出入り禁止・出場停止にした ban someone from ~ 利用や参加を認めないことを表す
規約や契約の禁止事項を説明する prohibit ~
be prohibited
改まった規則の説明に合う
権限をもって相手に禁止を言い渡す forbid someone to do 「その行為は許さない」と明確にする
禁止されている状態を示す be banned / prohibited / forbidden 3語とも可能。語調や文脈で選ぶ
日常会話でルールを伝える not be allowed to do 平易な言い方も選択肢にする
禁止を解除する lift a ban 名詞 ban の定番コロケーション

この表は「ほかの単語は使えない」という分類ではありません。意味が重なる場合は、語調・文型・よく一緒に使う表現が選択の手がかりになります。

ミニクイズ:文型・使い分け・定番表現を確認

空欄に入る語を考えてから、答えを確認しましょう。指定がある問題は、その条件に合う形を選んでください。別の語も使える場合は解説で確認できます。

Q1. The city introduced a on fireworks in public parks.(ban・prohibit・forbid から選ぶ)

訳:市は公共の公園での花火を禁止する措置を導入しました。

解説:a ban on ~ で「~に対する禁止」。3語のうち、そのまま名詞としてこの形に使えるのは ban です。

Q2. She was banned competing for six months.

訳:彼女は6か月間の出場停止処分を受けました。

解説:be banned from doing で「~することを禁じられる」。from の後ろには competing のような動名詞を続けます。

Q3. The contract prohibits employees from confidential information.(share を適切な形に)

訳:その契約では、従業員が機密情報を共有することを禁じています。

解説:prohibit 人 from doing の形なので sharing。to share ではありません。prohibit は契約内容の改まった説明に合います。

Q4. Her parents her to go out alone at night.(ban・prohibit・forbid のいずれかを過去形に)

訳:彼女の両親は、夜に一人で外出することを彼女に禁じました。

解説:後ろが her to go なので forbid を選び、過去形 forbade にします。ban・prohibit なら、基本形は her from going です。

Q5. Photography is strictly in this area.(prohibit を適切な形に)

訳:このエリアでの撮影は厳禁です。

解説:be strictly prohibited は掲示などで使う定番表現。過去分詞 prohibited を入れます。語の指定がなければ、forbidden などでも禁止を表せます。

Q6. The city the ban after the fire risk decreased.(lift・impose から選んで過去形に)

訳:火災の危険性が低下したあと、市は禁止を解除しました。

解説:lift a ban が「禁止を解除する」。impose a ban は反対に「禁止措置を課す」という意味です。

Q7. Visitors are to enter the storage room.(forbid を適切な形に)

訳:来館者は保管室への立ち入りを禁止されています。

解説:be forbidden to do という受け身なので、過去分詞 forbidden。過去形 forbade と区別しましょう。forbidden from entering とも言えます。

Q8. If, God , we lose the file, we can restore the backup.

訳:万が一、あってほしくはありませんが、ファイルを失っても、バックアップから復元できます。

解説:God forbid は「そんなことは起きてほしくない」という決まり文句。通常の三人称単数の文と同じように forbids にはしません。

Q9. To the children, the games they weren’t allowed to play were forbidden .

訳:子どもたちにとって、遊ぶことを許されていないゲームは「禁断の楽しみ」でした。

解説:forbidden fruit は「禁断の楽しみ・手を出してはいけないもの」という慣用表現です。禁止と魅力が結びつく比喩として覚えましょう。

Q10. You’re not allowed bring food into the library.

訳:図書館に食べ物を持ち込むことはできません。

解説:not be allowed to do は、日常会話で禁止事項を伝える平易な表現です。ban・prohibit・forbid だけに選択肢を限定しないことも、自然な英語につながります。

まとめ:「何を禁止するか」と「どう伝えるか」で選ぼう

「禁止する」を英語にするときは、まず行為を禁止事項にするのか、人の利用や参加を認めないのか、相手に直接禁止を言い渡すのかを考えましょう。そのうえで、会話なのか、ニュースなのか、規約や掲示なのかに合わせて語調を選びます。

  • ban = ある行為・物・人を禁止の対象にする。禁止措置や利用停止を端的に伝え、名詞の a ban on ~ もよく使います。
  • prohibit = 規則や権限に基づいて許可しない。規約や契約、公式な注意事項を改まって説明するときに合います。
  • forbid = 権限をもって「してはいけない」とする。人への禁止命令にも、規則や禁止状態の説明にも使えます。

3語は「強さ」の順に並べるのではなく、文脈・語調・文型を組み合わせて選ぶことが大切です。ban / prohibit someone from doing、forbid someone to do、lift a ban のように、使う形まで覚えると、自分の言いたい「禁止」を自然な英語にしやすくなります。

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