日本語では、質問に「答える」、メールに「答える」、相手の発言に「答える」など、いろいろな場面で同じ「答える」という言葉を使えます。
ところが英語では、answer、reply、respond を場面によって使い分けます。
たとえば、次の3つはどれも日本語にすると「質問に答えた」と訳せます。
She answered my question.
訳:彼女は私の質問に答えました。
answer は「質問に対する答え・情報を返した」という点に注目しています。
She replied to my question.
訳:彼女は私の質問に返事をしました。
reply は、こちらからの問いかけを受けて「返事を返した」というやり取りに注目しています。
She responded to my question.
訳:彼女は私の質問に応じました。
respond は「質問という働きかけに対して反応した」という捉え方です。answer や reply より少しフォーマルで、ビジネスやニュースでもよく使われます。
つまり、3語は単純な同義語ではありません。
answer は「答えを出す」、reply は「返事を返す」、respond は「働きかけに反応して応じる」という中心イメージを持っています。
この記事では、この違いを文型や実際によく使われる表現と一緒に詳しく見ていきましょう。
answer・reply・respond の違いをざっくり確認
| 単語 | 中心イメージ | よく使う場面 | 基本の形 |
|---|---|---|---|
| answer | 質問などに答えを返す | 質問、電話、ドア、メール、試験問題 | answer + 人・質問・電話など |
| reply | 相手に返事を返す | 会話、メール、メッセージ、手紙 | reply to + 人・もの |
| respond | 働きかけ・状況に反応して応じる | 質問、依頼、批判、緊急事態、刺激、治療など | respond to + 人・もの |
特に覚えておきたいのが文型です。
answer は目的語をそのまま後ろに置けます。
一方、reply と respond は基本的に to が必要です。
Please answer my question.
訳:私の質問に答えてください。
answer my question のように、question の前に to は付けません。
Please reply to my question.
訳:私の質問に返事をしてください。
reply は通常、reply to … の形です。
Please respond to my question.
訳:私の質問に回答してください。
respond も通常、respond to … の形になります。
answer ―「答え」を返す
answer の中心にあるのは、質問・問題・呼びかけなどに対して答えを返すという感覚です。
3語の中では最も基本的で、日常会話でも非常によく使われます。
質問に答える
answer の代表的な使い方が、answer a question です。
Can you answer this question?
訳:この質問に答えられますか?
質問に対して答えや情報を出すことに重点があります。学校の問題、インタビュー、問い合わせなど幅広く使えます。
He didn’t answer my question directly.
訳:彼は私の質問に直接答えませんでした。
answer a question directly は「質問にはっきり答える」という自然な組み合わせです。
人に答える
answer は質問だけでなく、人を直接目的語にすることもできます。
Why won’t you answer me?
訳:どうして私に答えてくれないの?
answer me と言えます。ここでも answer to me とはしません。
電話に出る
answer には、「電話に応答する」という非常によく使われる意味があります。
Could you answer the phone?
訳:電話に出てもらえますか?
answer the phone は「電話に出る」の定番表現です。日本語の「電話に答える」という直訳以上に、一つの決まった表現として覚えておきましょう。
answer a call もよく使われます。
Sorry, I couldn’t answer your call.
訳:ごめんなさい、電話に出られませんでした。
スマートフォンの通話についても自然な表現です。
ドアに応じる
玄関のチャイムやノックに応じてドアを開ける場合も answer を使います。
I knocked twice, but nobody answered the door.
訳:2回ノックしましたが、誰も出てきませんでした。
answer the door は「玄関に出る」という定番表現です。通常、reply the door や respond the door とは言いません。
メールに答える
answer はメールにも使えます。
I still haven’t answered her email.
訳:まだ彼女のメールに返事をしていません。
メールに書かれた質問や内容に「答える」という意味では answer an email が使えます。
ただし、メール画面の「返信する」という操作や、メッセージへの返事そのものに注目する場合は reply to an email が非常に自然です。
answer correctly / answer honestly
answer は、どのように答えたかを表す副詞ともよく組み合わされます。
She answered correctly.
訳:彼女は正しく答えました。
試験やクイズなど、「正解を出す」場面では answer が特に自然です。
Please answer honestly.
訳:正直に答えてください。
answer honestly は質問に「正直に答える」という非常によく使われる表現です。
answer back ― 口答えする
answer back は単なる「答える」ではなく、特に目上の人などに口答えするという意味でよく使われます。
Don’t answer back!
訳:口答えしないの!
親が子どもを叱る場面などで使われます。単に「返事をする」という意味ではないので注意しましょう。
reply ― 相手に「返事」を返す
reply の中心イメージは、相手から届いた言葉やメッセージに対して返事を返すことです。
answer が「答えの内容」に焦点を置きやすいのに対し、reply はコミュニケーションの往復を意識した語です。
メールソフトやSNSなどにある「Reply」というボタンを思い浮かべると分かりやすいでしょう。
reply to … が基本
reply の最も重要なポイントは、通常 to を使うことです。
She replied to my email this morning.
訳:彼女は今朝、私のメールに返信しました。
reply to an email が基本形です。reply my email とは通常言いません。
He hasn’t replied to my message yet.
訳:彼はまだ私のメッセージに返事をしていません。
メールだけでなく、チャット、SNS、テキストメッセージなどへの返信にも reply が自然です。
会話で「〜と答えた」
reply は、会話の中で相手の言葉を受けて「〜と返事をした」という表現にもよく使われます。
“I’ll think about it,” she replied.
訳:「考えてみるわ」と彼女は答えました。
相手の発言を受けた「返事」であることが感じられる使い方です。小説やニュース記事などの文章でも見かけます。
He replied that he needed more time.
訳:彼は、もう少し時間が必要だと答えました。
reply that … の形で、返事の内容を that節で続けることもできます。
reply with … ― 〜で返事をする
「何を使って返事をしたか」を表す場合、reply with … が使えます。
She replied with a smile.
訳:彼女は笑顔で応えました。
言葉ではなく、笑顔という形で返事をしたという表現です。
He replied with a simple “yes.”
訳:彼はただ「はい」とだけ答えました。
reply with + 内容 で「〜という返事をする」という形になります。
名詞の reply
reply は名詞として「返事・返信」という意味でも非常によく使います。
I haven’t received a reply yet.
訳:まだ返事を受け取っていません。
receive a reply はメールや問い合わせなどでよく使われる自然な組み合わせです。
Thank you for your quick reply.
訳:早速のお返事をありがとうございます。
メールでも使いやすい表現です。よりビジネス寄りにすると Thank you for your prompt reply. も使われます。
in reply to … ― 〜への返事として
I’m writing in reply to your email.
訳:あなたのメールへの返信としてご連絡しています。
in reply to … は「〜への返事として」という定番表現です。ややフォーマルなので、ビジネスメールや手紙で見かけます。
respond ― 働きかけに「反応して応じる」
respond の中心イメージは、何かの働きかけ・刺激・状況に対して反応を示すことです。
ここが answer、reply との大きな違いです。
respond は必ずしも「言葉で答える」とは限りません。
質問に言葉で答えることも respond ですが、依頼を受けて行動すること、批判に対応すること、機械が操作に反応すること、患者が治療に反応することまで表せます。
respond to a question
The spokesperson refused to respond to the question.
訳:広報担当者はその質問への回答を拒みました。
ニュースや記者会見などでは respond to a question がよく使われます。answer よりも少し客観的・フォーマルな響きがあります。
respond to an email / request
We will respond to your email within two business days.
訳:2営業日以内にメールに対応いたします。
カスタマーサポートなどでは respond がよく使われます。単に返信メールを書くことだけでなく、問い合わせそのものに「対応する」という意味を持たせられます。
The company responded quickly to our request.
訳:その会社は私たちの要望にすぐ対応しました。
ここでは、単に返事を書いたとは限りません。実際に何らかの対応を取った可能性も含められるのが respond の特徴です。
respond to criticism ― 批判に対応する
The CEO responded to the criticism in a public statement.
訳:CEOは声明を発表し、その批判に対応しました。
ニュースやビジネスでは respond to criticism がよく使われます。「批判に対して何らかの反応を示す」という意味です。
respond to an emergency ― 緊急事態に対応する
Emergency crews responded quickly to the accident.
訳:緊急対応の隊員たちは事故に迅速に対応しました。
ここでは誰かの質問に「答えて」いるわけではありません。事故という出来事を受けて行動したことを respond で表しています。
機械やシステムが「反応する」
The screen isn’t responding to touch.
訳:画面がタッチに反応しません。
スマートフォンやコンピューターなど、機械が入力や操作に反応する場合にも respond が使われます。
治療に反応する
The patient is responding well to treatment.
訳:その患者は治療によく反応しています。
respond well to treatment は医療関係でよく使われる表現です。この respond は「返事をする」ではなく、「治療の効果が現れる」という意味です。
名詞は response
respond の名詞形は response です。
Thank you for your prompt response.
訳:迅速なご回答ありがとうございます。
ビジネスメールで非常によく使われる表現です。prompt response は「迅速な返答・対応」という意味になります。
There was no response to my email.
訳:私のメールには何の反応もありませんでした。
no response は、返事だけでなく何の反応もなかった、という広い意味で使えます。
同じ場面で answer・reply・respond を比べてみよう
質問されたとき
会議で「予算はいくらですか?」と尋ねられた場面を考えてみましょう。
She answered the question.
訳:彼女はその質問に答えました。
質問に対する答えや情報を出したことが中心です。
She replied to the question.
訳:彼女はその質問に返事をしました。
質問という発言を受けて、言葉を返したという「やり取り」に焦点があります。
She responded to the question.
訳:彼女はその質問に応じました。
質問という働きかけに何らかの反応を示したことに焦点があります。記者会見、ビジネス、報道などにもなじみやすい表現です。
日常的に「質問に答える」と言いたいだけなら、まず answer the question を選べば自然です。
メールを受け取ったとき
I answered his email.
訳:私は彼のメールに答えました。
メールに書かれていた質問や内容に答えた、という感覚があります。
I replied to his email.
訳:私は彼のメールに返信しました。
受け取ったメールに「返信を返した」ことに焦点があります。一般的な「メールに返信する」なら非常に自然な表現です。
I responded to his email.
訳:私は彼のメールに対応しました。
メールによる問い合わせ・依頼などに対応したという少し広い意味になります。ビジネスにもよく合います。
respond だけが自然になる場合もある
3語が同じように使えるのは、主に「人が言葉に答える」場面です。
反応そのものを表す場合は respond が必要になります。
The market responded positively to the news.
訳:市場はそのニュースに好意的に反応しました。
市場が誰かに「返事」をしたわけではありません。ニュースという刺激を受けて市場が動いたため respond が自然です。
The dog responded to my voice.
訳:その犬は私の声に反応しました。
これも「答え」より「刺激への反応」が中心です。
よく使われるコロケーション・定番表現
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| answer a question | 質問に答える |
| answer correctly | 正しく答える |
| answer honestly | 正直に答える |
| answer the phone | 電話に出る |
| answer a call | 電話に出る |
| answer the door | 玄関に出る |
| answer back | 口答えする |
| reply to an email | メールに返信する |
| reply to a message | メッセージに返信する |
| reply to a question | 質問に返事をする |
| reply with … | 〜で返事をする |
| in reply to … | 〜への返事として |
| receive a reply | 返事を受け取る |
| respond to a request | 依頼に対応する |
| respond to criticism | 批判に対応する |
| respond to an emergency | 緊急事態に対応する |
| respond quickly | 素早く反応・対応する |
| respond positively | 好意的・肯定的に反応する |
| respond well to treatment | 治療によく反応する |
| prompt response | 迅速な返答・対応 |
日本人学習者が間違えやすいポイント
1.answer の前に to を付けない
日本語の「質問に答える」につられて、to を入れたくなりますが注意が必要です。
Please answer my question.
訳:私の質問に答えてください。
answer + question と直接つなげます。
answer to my question と覚えないようにしましょう。
2.reply と respond では to を忘れない
Please reply to my email.
訳:私のメールに返信してください。
reply my email ではなく、reply to my email が基本です。
He didn’t respond to my message.
訳:彼は私のメッセージに反応しませんでした。
respond my message ではなく、respond to my message とします。
3.「メールに返信する」なら reply が分かりやすい
answer an email、reply to an email、respond to an email は、文法的にはいずれも可能です。
しかし意味の焦点が少し違います。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| answer an email | メールの内容・質問に答える |
| reply to an email | メールに返信を返す |
| respond to an email | メール・問い合わせに対応する |
単に「メールに返信した」と言いたいなら、reply to an email を基本として覚えると分かりやすいでしょう。
4.電話や玄関には answer
「電話に出る」「玄関に出る」は answer の重要な用法です。
Why didn’t you answer the phone?
訳:どうして電話に出なかったの?
電話の場合は answer the phone が定番です。
Someone’s at the door. Can you answer it?
訳:誰か玄関に来ているよ。出てもらえる?
ここでの answer は「返事を言う」というより、「呼び出しに応じて玄関に出る」という意味です。
5.respond は「返事」だけではない
respond を単純に「reply のフォーマル版」と覚えてしまうと、本来の使い方を見失います。
たしかに、人の質問やメールに対する respond は reply よりフォーマルに感じられることがあります。
しかし respond の本質は刺激や状況に対して反応することです。
The economy responded to lower interest rates.
訳:経済は金利低下に反応しました。
このような場面では reply や answer には置き換えられません。
answer・reply・respond の使い分けを再確認
| 判断するポイント | 自然な語 | 例 |
|---|---|---|
| 質問への答え・情報を出す | answer | answer a question |
| 試験問題に答える | answer | answer correctly |
| 電話に出る | answer | answer the phone |
| 玄関に出る | answer | answer the door |
| メール・メッセージに返信する | reply | reply to an email |
| 相手の発言に返事をする | reply | reply to someone |
| 依頼や問い合わせに対応する | respond | respond to a request |
| 批判・ニュース・状況に反応する | respond | respond to criticism |
| 機械が操作に反応する | respond | respond to touch |
| 治療に反応する | respond | respond to treatment |
ミニクイズ
answer・reply・respond の違いを確認してみましょう。空欄に入る最も自然な語や表現を考えてください。
Q1. Could you my question?
訳:私の質問に答えてもらえますか?
解説:question を直接目的語に取るので answer が自然です。answer my question とし、通常 answer to my question とはしません。
Q2. I haven’t his email yet.
訳:まだ彼のメールに返信していません。
解説:メールに「返信を返す」ので reply が自然です。reply の後ろには to を使い、reply to his email とします。
Q3. The company the complaint quickly.
訳:その会社は苦情に素早く対応しました。
解説:苦情という働きかけに対して「対応した」ので respond が適しています。respond to a complaint はビジネスでもよく使われます。
Q4. I rang the bell, but nobody the door.
訳:呼び鈴を鳴らしましたが、誰も玄関に出ませんでした。
解説:「玄関に出る」は answer the door という定番表現です。
Q5. She a smile.
訳:彼女は笑顔で応えました。
解説:「〜で返事をする」は reply with … と表現できます。言葉ではなく笑顔を返した場面です。
Q6. The patient is treatment.
訳:その患者は治療によく反応しています。
解説:respond well to treatment は「治療がうまく効いている」という定番表現です。この respond は「返事をする」という意味ではありません。
Q7. Don’t when your teacher is talking to you.
訳:先生が話しているときに口答えしてはいけません。
解説:answer back は「口答えする」という句動詞です。単に「返事をする」という意味ではありません。
Q8. I’m writing your email.
訳:あなたのメールへの返信としてご連絡しています。
解説:in reply to … は「〜への返事として」という定番表現です。ビジネスメールや手紙などでも使われます。
Q9. The touchscreen isn’t touch.
訳:タッチスクリーンがタッチ操作に反応しません。
解説:機械が刺激や操作に「反応する」場合は respond が使えます。answer や reply には置き換えられません。
まとめ ―「答える」の何に注目するかで選ぼう
answer、reply、respond は、どれも日本語では「答える」「返事をする」と訳されることがあります。
しかし、英語では注目しているポイントが違います。
answer = 質問・問題・呼びかけに「答えを返す」
reply = 相手から来た言葉やメッセージに「返事を返す」
respond = 働きかけ・刺激・状況に「反応して応じる」
迷ったときは、日本語の「答える」をそのまま英語に置き換えようとするのではなく、「答えそのもの」を返しているのか、「相手への返事」を返しているのか、それとも「何かに反応・対応」しているのかを考えてみましょう。
質問に答えるなら answer a question、メールに返信するなら reply to an email、依頼や状況に対応するなら respond to … と考えると、3語の違いがつかみやすくなります。
また、文型も重要です。
answer + 目的語
answer my question / answer the phone
reply to + 人・もの
reply to my email / reply to her
respond to + 人・もの・状況
respond to a request / respond to treatment
この「意味の中心」と「文型」をセットで覚えておけば、「答える」を英語にするときの迷いはかなり少なくなるでしょう。