日本語の「試みる」を英語にしようとすると、try、attempt、test などが候補に出てきます。
ところが、この3語は単純な同義語ではありません。
try は「まずやってみる」「できるよう努力する」という日常的で幅広い語です。
attempt は、簡単ではないことに対して「実際に取りかかり、成し遂げようとする」という、やや硬く客観的な語です。
一方の test は、「成功させようと挑戦する」というより、性能・正しさ・反応などを確かめるために試すという語です。
つまり、日本語ではどれも「試す」「試みる」と訳せても、英語では何を目的にその行動をするのかによって語が変わります。
この記事では、try・attempt・test の中心イメージと、実際の現代英語での使い分けを詳しく見ていきましょう。
- try・attempt・test の違いをざっくり確認
- try ― 「まずやってみる」「できるよう努力する」
- attempt ― 難しいことを「成し遂げようと試みる」
- test ― 「うまくいくか・正しいかを確かめるために試す」
- 同じ場面で try・attempt・test を比べてみよう
- try と attempt ― どちらも「~しようとする」だが何が違う?
- try と test ― 日本語ではどちらも「試す」
- try のよく使われる表現
- attempt のよく使われる表現
- test のよく使われる表現
- 日本人学習者が間違えやすいポイント
- 3語の使い分けをもう一度確認
- ミニクイズ
- まとめ ― 「なぜ試すのか」を考えると選びやすい
try・attempt・test の違いをざっくり確認
| 単語 | 中心イメージ | 注目していること | よく使う場面 |
|---|---|---|---|
| try | まずやってみる・努力する | 行動してみること、成功しようとすること | 日常会話、挑戦、工夫、試しに使う |
| attempt | 難しいことに実際に挑む | 成功させようとして行動に移すこと | 難しい課題、記録、犯罪、正式な文章 |
| test | 確かめるために試す | 性能・正しさ・能力・反応の確認 | 製品、方法、機能、仮説、能力、検査 |
大まかには、次のように考えると整理しやすくなります。
try = やってみる
attempt = 成功させようと挑む
test = どうなるか確かめる
特に重要なのは、test は try や attempt と意味の軸そのものが違うという点です。
try ― 「まずやってみる」「できるよう努力する」
try は、3語の中で最も日常的で使える範囲の広い単語です。
中心にあるのは、成功するかどうかは分からないが、とにかく行動してみるという感覚です。
I’ll try to fix it myself.
訳:自分で直してみます。
直せるかどうかは分からないものの、成功を目指してやってみるという意味です。日常会話では attempt より try のほうが自然です。
Try again.
訳:もう一度やってみて。
非常に基本的な try の使い方です。失敗したあとに「もう一度挑戦する」という意味になります。
I’m trying my best.
訳:精いっぱい努力しています。
try は単に「試しにやる」だけでなく、「成功するために努力する」という意味にもなります。
try to do ― 「~しようと努力する」
try to do は、ある結果を実現しようと努力する表現です。
I’m trying to learn English every day.
訳:毎日英語を勉強しようと努力しています。
英語を身につけることを目標として、その実現に向けて努力しているという意味です。
try doing ― 「試しに~してみる」
try doing は、問題解決の方法や選択肢として「試しにやってみる」という意味です。
If the app doesn’t work, try restarting your phone.
訳:アプリが動かなければ、試しにスマートフォンを再起動してみてください。
再起動そのものを成功させようと努力するのではなく、「再起動する」という方法を試しているので try restarting になります。
try to do と try doing の違いは、英語学習者にとって非常に重要です。
| 形 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| try to do | ~しようと努力する | 目的を達成しようとする |
| try doing | 試しに~してみる | 一つの方法として実行する |
attempt ― 難しいことを「成し遂げようと試みる」
attempt も「試みる」という意味ですが、try よりも硬く、ある程度難しいことや、成功するか分からないことに対して実際に行動を起こすというニュアンスがあります。
日常会話よりも、ニュース、報道、ビジネス、正式な文章などでよく使われます。
He attempted to climb the mountain alone.
訳:彼は一人でその山に登ろうと試みました。
山に登るという、簡単ではない行為を実際に成し遂げようとしたことに焦点があります。
The company attempted to enter the US market.
訳:その会社は米国市場への参入を試みました。
市場参入という大きな目標に向かって具体的な行動を取ったことを表しています。ビジネス記事では try より attempt が選ばれることがあります。
attempt は「成功しなかった」印象を伴うことがある
attempt 自体に「失敗した」という意味があるわけではありません。
しかし、attempted to … と言うと、「実行しようとしたが、結果として成功しなかったのではないか」という印象を与えることがあります。
She attempted to open the door.
訳:彼女はそのドアを開けようとしました。
この文だけでは成功したかどうかは明示されていません。ただし、「開けようとした」と行為そのものを取り上げるため、文脈によっては開かなかったことが続く場合もあります。
attempt は名詞でも非常によく使う
His first attempt failed.
訳:彼の最初の試みは失敗しました。
an attempt は「試み」「挑戦」という名詞です。ニュースや説明文でも非常によく使われます。
They made another attempt to solve the problem.
訳:彼らはその問題を解決するため、もう一度試みました。
make an attempt to do で「~しようと試みる」という定番表現になります。
test ― 「うまくいくか・正しいかを確かめるために試す」
test は try や attempt と違い、成功そのものを目指す語ではありません。
中心にあるのは、何かを実際に使ったり条件を与えたりして、その性能・正しさ・能力・反応などを確認するという意味です。
We tested the new software before releasing it.
訳:公開する前に、その新しいソフトウェアをテストしました。
ソフトウェアを「使ってみた」というだけでなく、問題なく動くかを確認することが目的なので test が自然です。
The researchers tested the theory.
訳:研究者たちはその理論を検証しました。
理論が正しいかどうかを確かめるので test を使います。ここでは try や attempt に置き換えることはできません。
Let’s test this method on a small group first.
訳:まず少人数のグループでこの方法を試してみましょう。
日本語では「試してみる」ですが、目的は「この方法が有効かどうかを確認すること」なので test が適切です。
同じ場面で try・attempt・test を比べてみよう
3語の違いは、同じ状況で比べるとよく分かります。
たとえば、新しい問題解決方法を導入する場面を考えてみましょう。
Let’s try the new method.
訳:新しい方法をやってみましょう。
try は、「とりあえずやってみよう」という自然で日常的な表現です。
They attempted to solve the problem using a new method.
訳:彼らは新しい方法を使って、その問題を解決しようと試みました。
attempt は、問題を「解決する」という難しい目的を達成しようとした行動に焦点があります。
They tested the new method before using it company-wide.
訳:全社で使用する前に、その新しい方法を試験しました。
test は、その方法が実際に効果的か、安全か、問題なく使えるかを確認することに焦点があります。
つまり、同じ「新しい方法を試す」でも、
try → とにかくやってみる
attempt → 目標達成を目指して挑む
test → 有効かどうか確かめる
という違いがあります。
try と attempt ― どちらも「~しようとする」だが何が違う?
try と attempt は意味が近く、同じ文で両方使えることもあります。
He tried to escape.
訳:彼は逃げようとしました。
日常的で自然な言い方です。本人が逃げようと行動したことを普通に述べています。
He attempted to escape.
訳:彼は脱出を試みました。
意味は近いですが、attempt のほうが硬く、出来事を客観的に報告する印象があります。ニュースや警察・裁判関連の記事などでもよく見られます。
| try | attempt |
|---|---|
| 日常的 | やや硬い |
| 小さなことにも使える | ある程度難しいことに使いやすい |
| 「やってみる」「努力する」 | 「成し遂げようと実行に移す」 |
| 会話で非常によく使う | 報道・文章・正式な文脈でよく使う |
try と test ― 日本語ではどちらも「試す」
この2語も、日本語訳だけを見ると混同しやすい組み合わせです。
Try this app.
訳:このアプリを使ってみて。
「一度使ってみて」という軽い勧めなので try です。
Test this app before release.
訳:リリース前にこのアプリをテストしてください。
不具合がないか、期待どおり動くかを確認するのが目的なので test を使います。
try は体験・挑戦、test は確認・評価という違いを覚えておくと判断しやすくなります。
try のよく使われる表現
give it a try
I’ve never done yoga before, but I’ll give it a try.
訳:ヨガはやったことがありませんが、やってみます。
give it a try は「試しにやってみる」という非常によく使われる会話表現です。
try one’s best
Just try your best.
訳:とにかくベストを尽くしてみて。
try one’s best は「精いっぱい努力する」という意味です。
try again
If it doesn’t work, try again later.
訳:うまくいかなければ、あとでもう一度試してみてください。
アプリや機器の操作から日常の挑戦まで幅広く使える定番表現です。
try out
I want to try out the new camera this weekend.
訳:今週末、新しいカメラを試してみたいです。
try out は、製品・サービス・方法などを実際に使ってみることを表します。
try on
Can I try this jacket on?
訳:このジャケットを試着してもいいですか。
衣服や靴などを「試着する」は try on を使います。
attempt のよく使われる表現
attempt to do
They attempted to reach an agreement.
訳:彼らは合意に達しようと試みました。
交渉など、簡単ではない目標を達成しようとする場面で自然です。
make an attempt
She made one last attempt to contact him.
訳:彼女は最後にもう一度、彼に連絡を取ろうとしました。
make an attempt to do で「~しようと試みる」です。
failed attempt
After several failed attempts, the team finally solved the problem.
訳:何度か失敗したあと、そのチームはついに問題を解決しました。
failed attempt は「失敗した試み」。attempt は名詞としてこの形で非常によく使われます。
an attempt at …
This was his first attempt at writing a novel.
訳:これは彼にとって初めて小説を書く試みでした。
an attempt at + 名詞・動名詞 で「~への試み」を表します。
test のよく使われる表現
test a product / system / method
We need to test the system under real-world conditions.
訳:実際の使用環境でそのシステムを試験する必要があります。
ITや製品開発で非常によく使われる test の用法です。
put something to the test
The long trip really put the battery to the test.
訳:その長距離走行で、バッテリーの性能が本当に試されました。
put something to the test は「~を実際の状況で試す」「真価を問う」という表現です。
test drive
I’d like to test-drive the car before deciding.
訳:決める前にその車を試乗したいです。
test-drive は動詞で「試乗する」。名詞なら a test drive です。
test the limits
The exercise is designed to test your limits.
訳:そのトレーニングは、自分の限界を試すように作られています。
test someone’s limits は「能力や耐久力の限界がどこにあるか確かめる」という意味です。
日本人学習者が間違えやすいポイント
「試しに~してみる」は try to do ではなく try doing のことがある
Try pressing this button.
訳:試しにこのボタンを押してみてください。
「ボタンを押すこと自体を成功させようと努力する」のではなく、「解決方法としてボタンを押してみる」ので try pressing が自然です。
Try to press the button.
訳:そのボタンをなんとか押してみてください。
こちらは「押すことそのものが難しく、それでも押そうとする」という意味になります。
attempt は try の「格好いい言い換え」ではない
attempt は単に try を硬くしただけの単語ではありません。
Try this cake.
訳:このケーキを食べてみて。
このような軽い日常的な「試してみる」に attempt は通常使いません。
attempt this cake とすると、普通の「味見してみる」という意味にはなりません。
test は「挑戦する」ではなく「確認する」
I’m going to try running a marathon.
訳:マラソンに挑戦してみます。
本人がマラソンをやってみることに焦点があるので try が自然です。
test running a marathon とすると、通常の「マラソンに挑戦する」という意味にはなりません。
attempt の後は基本的に to do
He attempted to repair the machine.
訳:彼はその機械を修理しようと試みました。
動詞 attempt の後は通常 to + 動詞 を使います。try のように try doing という形で意味を切り替える使い方は基本的にしません。
3語の使い分けをもう一度確認
| こんな「試みる」 | 自然な語 | 代表表現 |
|---|---|---|
| まずやってみる | try | try it |
| できるよう努力する | try | try to do |
| 方法として試しにやる | try | try doing |
| 気軽に一度試す | try | give it a try |
| 難しい目標に挑む | attempt | attempt to do |
| 正式・客観的に「試み」を述べる | attempt | make an attempt |
| 製品が正しく動くか確認する | test | test a product |
| 方法が有効か検証する | test | test a method |
| 実際の条件で性能を確認する | test | put … to the test |
ミニクイズ
try・attempt・test の違いや定番表現を確認してみましょう。
Q1. I’ll to finish the report by Friday.
訳:金曜日までにレポートを終わらせるよう頑張ります。
解説:目標を達成しようと努力するので try to do が自然です。
Q2. If the screen freezes, restarting the computer.
訳:画面が固まったら、試しにコンピューターを再起動してみてください。
解説:問題解決の方法として再起動してみるので try doing を使います。
Q3. The climber to reach the summit despite the bad weather.
訳:その登山者は悪天候にもかかわらず、頂上に到達しようと試みました。
解説:難しい目標を実際に成し遂げようとする場面なので attempt がよく合います。
Q4. We need to the new feature before launch.
訳:リリース前に新機能をテストする必要があります。
解説:新機能が正しく動くか確認することが目的なので test です。
Q5. I’ve never played golf, but I’ll give it a .
訳:ゴルフはやったことがありませんが、やってみます。
解説:give it a try は「一度やってみる」という非常によく使われる表現です。
Q6. After three failed , they finally opened the safe.
訳:3回失敗したあと、彼らはついに金庫を開けました。
解説:failed attempt は「失敗した試み」という定番の組み合わせです。
Q7. I’d like to this jacket on.
訳:このジャケットを試着したいです。
解説:衣服などを「試着する」は try on を使います。
Q8. The extreme heat really put the engine to the .
訳:その猛暑によって、エンジンの性能が本当に試されました。
解説:put something to the test は「実際の状況で性能や実力を試す」という表現です。
Q9. She made one final to change his mind.
訳:彼女は彼の考えを変えようと、最後にもう一度試みました。
解説:make an attempt to do で「~しようと試みる」という意味です。
Q10. Let’s the idea on a small group before introducing it to everyone.
訳:全員に導入する前に、少人数のグループでそのアイデアを試してみましょう。
解説:単に「やってみる」のではなく、そのアイデアが有効かどうか確認することが目的なので test が自然です。
まとめ ― 「なぜ試すのか」を考えると選びやすい
try・attempt・test は、日本語ではどれも「試す」「試みる」と訳されることがあります。
しかし、英語ではその行動をする目的を見ると、違いがはっきりします。
try = まずやってみる・成功するよう努力する
日常会話で最も使いやすい語です。何かに挑戦したり、方法を試したりするときは、まず try を考えるとよいでしょう。
attempt = 難しいことを成し遂げようと実際に挑む
try より硬く、難しい目標や正式な文章で使われやすい語です。「行動に移した試み」そのものに焦点があります。
test = 性能・正しさ・有効性を確かめるために試す
結果を成功させることより、「どうなるかを確認する」ことが目的です。製品、方法、システム、仮説などとの相性がよい語です。
「試みる」を英語にするときは、まず次のように考えてみましょう。
とりあえずやってみるのか? → try
難しい目標を成し遂げようとしているのか? → attempt
うまくいくか確かめたいのか? → test
この「なぜ試すのか」という判断基準を持っておくと、日本語訳に頼らず、try・attempt・test を自然に使い分けられるようになります。