日本語の「隠す」は、物を見えない場所に置く場合にも、秘密や事実を知られないようにする場合にも使われます。
「鍵を隠す」「感情を隠す」「証拠を隠す」など、日本語では同じ「隠す」で表せますが、英語では何を、どのような意図で隠すのかによって使う表現が変わります。
代表的な表現には、hide、conceal、cover up があります。
どれも「隠す」に関係しますが、使われる場面やニュアンスは同じではありません。
今回は、hide・conceal・cover up の違いを、例文とともに整理してみましょう。
まずは3つの違いをざっくり確認
| 表現 | 中心となる意味 | イメージ |
|---|---|---|
| hide | 隠す、隠れる | もっとも一般的な「隠す」 |
| conceal | 見つからないよう隠す | 意図的・やや硬い表現 |
| cover up | 事実や不正などを隠蔽する | 都合の悪いことを知られないようにする |
まずは、次のように覚えておくとわかりやすいでしょう。
hide = 普通に隠す
conceal = 見つからないよう意図的に隠す
cover up = 問題や事実を隠蔽する
hide ― もっとも一般的な「隠す」
hide は、「隠す」を表すもっとも一般的な単語です。
物、人、感情、情報など、非常に幅広いものについて使うことができます。
She hid the key under the mat.
訳:彼女は鍵をマットの下に隠しました。
物を見えない場所に置いて隠しているので hide が自然です。
He tried to hide his disappointment.
訳:彼は失望を隠そうとしました。
感情を人に気づかれないようにする場合にも hide が使えます。
Don’t hide the truth from me.
訳:私に真実を隠さないでください。
情報や事実を知られないようにする場合にも使える、非常に幅広い表現です。
hide は「隠れる」にも使える
hide は他動詞として「隠す」だけでなく、自動詞として「隠れる」という意味でも使えます。
The child hid behind the door.
訳:その子どもはドアの後ろに隠れました。
自分自身が見つからない場所へ移動しているので「隠れる」という意味です。
The cat is hiding under the bed.
訳:猫はベッドの下に隠れています。
人や動物が自分から隠れる場合にも hide が自然です。
hide の過去形は hid
hide は不規則動詞です。
hide → hid → hidden
と変化します。
He hid the letter in a drawer.
訳:彼はその手紙を引き出しに隠しました。
hid は hide の過去形です。
conceal ― 見つからないよう意図的に「隠す」
conceal も「隠す」という意味ですが、hide よりもやや硬く、意図的に見つからないよう隠すニュアンスがあります。
物・武器・証拠・情報・感情などを、他人に気づかれないようにする場合によく使われます。
He concealed the documents in a locked drawer.
訳:彼は書類を鍵のかかった引き出しに隠しました。
見つからないよう意図的に隠しているので conceal がよく合います。
She tried to conceal her anger.
訳:彼女は怒りを隠そうとしました。
感情を表に出さないよう意識して抑えているので conceal が使えます。
The information was deliberately concealed.
訳:その情報は意図的に隠されていました。
情報を知られないよう意図的に隠したことを、やや正式に表しています。
concealed ―「隠された」
concealed は「隠された」「見えないようにされた」という意味でよく使われます。
There was a concealed door behind the bookshelf.
訳:本棚の後ろに隠し扉がありました。
concealed door で「隠し扉」という意味になります。
hide と conceal はどう違う?
hide と conceal は、どちらも「隠す」と訳せるため、非常によく似ています。
大きな違いは、hide は日常的で幅広い表現、conceal は意図性が強く、やや硬い表現という点です。
He hid the money under the bed.
訳:彼はお金をベッドの下に隠しました。
日常的な「隠す」なので hide が自然です。
He concealed the money in a secret compartment.
訳:彼はお金を秘密の収納場所に隠しました。
誰にも見つからないよう注意深く隠したニュアンスが強くなります。
つまり、
hide → 普通に隠す
conceal → 発見されないよう意図的に隠す
と考えるとわかりやすいでしょう。
cover up ― 都合の悪いことを「隠蔽する」
cover up は、秘密・失敗・不正・事件・証拠など、知られると困る事実を隠す場合によく使われます。
日本語では「隠蔽する」「もみ消す」などと訳すと自然な場合があります。
They tried to cover up the mistake.
訳:彼らはそのミスを隠そうとしました。
自分たちに都合の悪いミスを知られないようにしているので cover up が自然です。
The company was accused of covering up the problem.
訳:その会社は問題を隠蔽したとして非難されました。
問題の存在を公にしないようにする、という意味です。
He lied to cover up what he had done.
訳:彼は自分のしたことを隠すために嘘をつきました。
不都合な事実を知られないようにする目的なので cover up がよく合います。
cover-up は名詞にもなる
cover-up とハイフンを付けると、名詞として「隠蔽」「もみ消し」という意味になります。
The investigation revealed a cover-up.
訳:その調査によって隠蔽工作が明らかになりました。
この場合は名詞なので、a cover-up となっています。
conceal と cover up はどう違う?
conceal と cover up は、どちらも意図的に何かを隠す場合に使われます。
ただし、conceal は単に発見されないよう隠すことを表せるのに対し、cover up は失敗・不正・問題など、都合の悪い事実を隠すニュアンスが強くなります。
She concealed the letter in her bag.
訳:彼女はその手紙をバッグの中に隠しました。
単純に見つからないように隠しているので conceal が使えます。
They covered up the evidence.
訳:彼らは証拠を隠蔽しました。
問題や不正を知られないように証拠を隠しているので cover up がより自然です。
conceal → 発見されないよう隠す
cover up → 都合の悪い事実を隠蔽する
という違いがあります。
「感情を隠す」なら hide? conceal?
感情については、hide と conceal の両方を使うことができます。
She couldn’t hide her excitement.
訳:彼女は興奮を隠すことができませんでした。
日常的な表現なので hide が自然です。
He tried to conceal his fear.
訳:彼は恐怖を隠そうとしました。
意識して感情を表に出さないようにしているニュアンスがあり、conceal がよく合います。
hide one’s feelings は日常的、conceal one’s feelings はやや硬く、意図性を感じさせる表現です。
「秘密を隠す」ならどれを使う?
「秘密を隠す」場合にも、何を強調するかによって表現が変わります。
He hid the secret from his family.
訳:彼は家族にその秘密を隠していました。
日常的に秘密を知らせなかったことを表しているので hide が使えます。
He concealed important information from the police.
訳:彼は警察に重要な情報を隠しました。
情報を意図的に知らせなかったことをやや硬く表現しています。
They tried to cover up the truth.
訳:彼らは真相を隠蔽しようとしました。
都合の悪い真実が知られないようにしたというニュアンスが強くなります。
「物を隠す」なら hide が基本
鍵・プレゼント・お金・手紙など、普通に物を隠す場合には hide がもっとも使いやすい表現です。
I hid the present in the closet.
訳:私はプレゼントをクローゼットに隠しました。
単純に見つからない場所へ物を置くので hide が自然です。
conceal を使うと、「発見されないよう慎重に隠した」という少し強い響きになります。
cover up には「覆って隠す」という文字どおりの意味もある
cover up は「隠蔽する」だけでなく、文字どおり何かを覆って見えないようにする場合にも使われます。
She used makeup to cover up the bruise.
訳:彼女はあざを隠すために化粧を使いました。
化粧であざを覆い、見えにくくしているので cover up が使えます。
ただし、ニュースや社会的な文脈で cover up が使われる場合には、「隠蔽する」という意味になることが非常に多いので、文脈を確認することが大切です。
3つの使い分けをもう一度整理
| こんなとき | 使う表現 | 例 |
|---|---|---|
| 鍵を隠す | hide | hide the key |
| 感情を隠す | hide | hide one’s feelings |
| 自分が隠れる | hide | hide behind the door |
| 書類を見つからないよう隠す | conceal | conceal the documents |
| 怒りを意図的に隠す | conceal | conceal one’s anger |
| 情報を意図的に隠す | conceal | conceal information |
| ミスを隠蔽する | cover up | cover up a mistake |
| 問題を隠蔽する | cover up | cover up a problem |
| 真相を隠蔽する | cover up | cover up the truth |
ミニクイズ
次の( )に入るもっとも自然な表現を、hide・conceal・cover up から選んでみましょう。
Q1. She the key under the mat.
訳:彼女は鍵をマットの下に隠しました。
解説:普通に物を見えない場所へ隠しているので hide が自然です。
Q2. He tried to his fear.
訳:彼は恐怖を隠そうとしました。
解説:感情を意識して表に出さないようにしているので conceal がよく合います。
Q3. They tried to the mistake.
訳:彼らはそのミスを隠そうとしました。
解説:都合の悪いミスを知られないようにしているので cover up が自然です。
Q4. The child behind the curtain.
訳:その子どもはカーテンの後ろに隠れました。
解説:本人が自分から隠れているので、自動詞の hide を使います。
Q5. The information was deliberately .
訳:その情報は意図的に隠されていました。
解説:情報を意図的に発見されないようにしているので conceal が適しています。
Q6. The company was accused of trying to the problem.
訳:その会社は問題を隠蔽しようとしたとして非難されました。
解説:都合の悪い問題を知られないようにする意味なので cover up が自然です。
まとめ
「隠す」を表す hide・conceal・cover up は、何をどのような意図で隠すのかを考えると使い分けやすくなります。
- hide = 物・人・感情・情報などを普通に「隠す」
- conceal = 見つからないよう意図的に「隠す」、やや硬い表現
- cover up = ミス・不正・問題・真実などを「隠蔽する」
鍵やプレゼントを普通に隠すなら hide、証拠や情報などを発見されないよう意図的に隠すなら conceal、都合の悪い事実や問題を隠蔽するなら cover up が基本です。
hide = 普通に隠す
conceal = 発見されないよう隠す
cover up = 都合の悪いことを隠蔽する
特に、hide a mistake なら単に「ミスを隠す」、conceal information なら「情報を意図的に隠す」、cover up a mistake なら「ミスを隠蔽する」というニュアンスの違いがあります。この3つを比べて覚えると、自然に使い分けやすくなります。