日本語の「幼い」「子どもっぽい」「未熟な」は、似ているようで少しずつ意味が違います。
英語では、代表的な表現として childish、childlike、immature があります。
どれも大人らしくない様子や子どもらしさに関係しますが、特に大切なのは、childish と childlike では相手に与える印象が大きく違うという点です。
今回は、childish・childlike・immature の違いを、例文とともに整理してみましょう。
まずは3語の違いをざっくり確認
| 単語 | 中心となる意味 | イメージ |
|---|---|---|
| childish | 子どもっぽい、幼稚な | 大人なのに子どものようで未熟 |
| childlike | 子どものような、純真な | 子どものよい面を持っている |
| immature | 未熟な、成熟していない | 精神・判断・能力などが十分に発達していない |
まずは、次のように覚えておくとわかりやすいでしょう。
childish = 悪い意味で「子どもっぽい」
childlike = よい意味で「子どものような」
immature = まだ十分に「成熟していない」
childish ― 悪い意味で「子どもっぽい・幼稚な」
childish は、大人やある程度成長した人の行動・態度などが、子どものように未熟であることを表します。
多くの場合、否定的な意味を持ちます。
Stop being so childish.
訳:そんなに子どもっぽくするのはやめなさい。
大人らしくない未熟な態度を批判しているので childish が自然です。
His behavior was childish.
訳:彼の振る舞いは幼稚でした。
年齢にふさわしくない未熟な行動を表しています。
They had a childish argument over a small problem.
訳:彼らはささいな問題をめぐって、子どもじみた言い争いをしました。
childish argument で「幼稚な言い争い」という否定的な意味になります。
childish は本当の子どもだけに使う言葉ではない
childish は「child(子ども)」からできていますが、実際には大人の態度や行動を批判するときによく使われます。
It was childish of him to refuse to apologize.
訳:謝ることを拒んだのは、彼としては子どもっぽい態度でした。
大人としてもっと成熟した行動を取るべきだった、という批判的なニュアンスがあります。
日本語の「幼い」よりも、「幼稚な」「子どもじみた」と考えたほうが近い場面が多いでしょう。
childlike ― よい意味で「子どものような」
childlike も「子どものような」という意味ですが、childish とは印象が大きく異なります。
childlike は、純粋さ・好奇心・素直さ・無邪気さなど、子どものよい特徴を表すときによく使われます。
She has a childlike curiosity about the world.
訳:彼女は世界に対して子どものような好奇心を持っています。
好奇心旺盛で純粋な様子を好意的に表しているので childlike が自然です。
He smiled with childlike delight.
訳:彼は子どものような純粋な喜びを浮かべて笑いました。
無邪気で素直な喜びを表しているので、肯定的な childlike がよく合います。
She still has a childlike sense of wonder.
訳:彼女はいまでも子どものような驚きや感動を大切にしています。
物事に感動する純粋な心を表しています。
childish と childlike はどう違う?
childish と childlike は、どちらも child からできた形容詞ですが、ニュアンスはほぼ反対です。
His reaction was childish.
訳:彼の反応は子どもっぽく幼稚でした。
大人らしくない未熟な反応を批判しているので childish を使います。
His excitement was childlike.
訳:彼の喜び方は子どものように無邪気でした。
純粋で無邪気なところを好意的に表しているので childlike が自然です。
つまり、
childish → 子どもの悪い面のような
childlike → 子どものよい面のような
と考えると非常にわかりやすくなります。
immature ― 精神・判断などが「未熟な」
immature は、「十分に成熟していない」「発達が足りない」という意味です。
childish のように必ずしも「子どものようだ」と表現するわけではなく、精神・判断力・考え方・技術などがまだ十分に成熟していないことを表します。
He is emotionally immature.
訳:彼は精神的に未熟です。
感情面で十分に成熟していないことを表しているので immature が自然です。
That was an immature decision.
訳:それは未熟な判断でした。
判断力が十分に成熟していないことを表しています。
His attitude seems immature for his age.
訳:彼の態度は年齢のわりに未熟に見えます。
年齢に比べて精神的な成熟が足りないことを表しています。
immature は人以外にも使える
immature は、人の性格や精神状態だけを表す言葉ではありません。
果物・技術・市場など、まだ十分に成熟・発達していないものにも使えます。
The technology is still immature.
訳:その技術はまだ十分に成熟していません。
技術がまだ発展途上であることを表しています。
The fruit was picked while it was still immature.
訳:その果物はまだ未熟なうちに収穫されました。
果物が十分に成熟していないという物理的な意味でも immature が使えます。
childish と immature はどう違う?
childish と immature は、どちらも「未熟な」という意味で使われることがあります。
ただし、注目するところが違います。
He made a childish joke.
訳:彼は子どもじみた冗談を言いました。
冗談の内容や態度が「子どもっぽい」ことを表しています。
He is too immature to handle the responsibility.
訳:彼はその責任を担うには未熟すぎます。
精神的な成熟度が足りないことに注目しているので immature が自然です。
簡単にいえば、
childish → 振る舞いが子どもっぽい
immature → 成熟度そのものが足りない
という違いがあります。
「子どものような笑顔」は childish? childlike?
「子どものような」という日本語だけを見ると、childish と childlike のどちらを使えばよいか迷うかもしれません。
判断のポイントは、それをよい特徴として言っているのか、悪い特徴として言っているのかです。
She had a childlike smile.
訳:彼女は子どものように無邪気な笑顔を浮かべていました。
純粋で無邪気な笑顔をほめるように表しているので childlike が自然です。
childish smile とすると、文脈によっては「幼稚な笑い方」「大人げない笑い方」のような否定的な印象になることがあります。
「大人げない」なら childish が近い
日本語の「大人げない」に近い表現として、childish が使える場合があります。
Don’t be childish about losing the game.
訳:ゲームに負けたくらいで大人げない態度を取らないでください。
負けたことに対して子どものようにふてくされるなど、年齢にふさわしくない態度を表しています。
一方、単純に「経験や判断力がまだ足りない」という場合には immature のほうが適しています。
3語の使い分けをもう一度整理
| こんなとき | 使う単語 | 例 |
|---|---|---|
| 子どもじみた態度 | childish | childish behavior |
| 幼稚な言い争い | childish | a childish argument |
| 子どものような好奇心 | childlike | childlike curiosity |
| 無邪気な喜び | childlike | childlike delight |
| 精神的に未熟 | immature | emotionally immature |
| 未熟な判断 | immature | an immature decision |
| 未発達な技術 | immature | immature technology |
ミニクイズ
次の( )に入るもっとも自然な単語を、childish・childlike・immature から選んでみましょう。
Q1. Stop being so .
訳:そんなに子どもっぽくするのはやめなさい。
解説:年齢にふさわしくない未熟な態度を批判しているので childish が自然です。
Q2. She has a curiosity about nature.
訳:彼女は自然に対して子どものような好奇心を持っています。
解説:純粋で好奇心旺盛な、子どものよい面を表しているので childlike が適しています。
Q3. He is emotionally .
訳:彼は精神的に未熟です。
解説:感情面で十分に成熟していないことを表しているので immature が自然です。
Q4. They had a argument over who should sit by the window.
訳:彼らは誰が窓際に座るかをめぐって、子どもじみた言い争いをしました。
解説:ささいなことで大人げなく争う様子なので childish がよく合います。
Q5. His face showed delight.
訳:彼の顔には子どものような無邪気な喜びが表れていました。
解説:純粋で無邪気な喜びを好意的に表しているので childlike を使います。
Q6. That was an decision.
訳:それは未熟な判断でした。
解説:判断力や考え方が十分に成熟していないことを表すので immature が適しています。
まとめ
「幼い」「子どもっぽい」「未熟な」を表す childish・childlike・immature は、特に評価が肯定的なのか否定的なのかを考えると使い分けやすくなります。
- childish = 年齢にふさわしくない、幼稚で子どもっぽい
- childlike = 純粋・無邪気など、よい意味で子どものような
- immature = 精神・判断・能力などが十分に成熟していない
大人げない態度を批判するなら childish、純粋さや無邪気さをほめるなら childlike、精神的・能力的な成熟度が足りないことを表すなら immature が自然です。
childish = 幼稚で子どもっぽい
childlike = 純真で子どものような
immature = まだ成熟していない
特に childish と childlike は意味を取り違えると、ほめたつもりが相手を批判する表現になってしまうことがあります。この違いをしっかり押さえておきましょう。